春になって、少し体型の変化が気になる今日この頃。(冬の間に溜め込みすぎた)
決してモデル体型を目指してるわけじゃないんです。
ただ、いらぬ贅肉はすっきり落ちた、気持ちの良いスタイルだったらいいなと思うのです。
美しさと健やかさを両方叶える、自分らしい体型ってあるだろうなと思います。
そんなときにぴったりの本を読みました。
その名も、『あなたのゼイ肉、落とします』 垣谷美雨著
去年の秋に文庫本が出ました。
垣谷さんの書籍は母がはまっていたこともあり、
いつの間にか私もほとんどの本を読破していました。
とにかくスルスル読める。
登場人物の心理描写が的確で、まさにかゆいところに手が届く表現力が圧巻。
『夫のカノジョ』や『結婚相手は抽選で』など、テレビドラマ化された作品も多いです。
ちょうど私の母くらい(50代〜60代くらい?)の世代背景で書かれているものも多くて、「母たちの世代的な悩みや生き様のあれこれってこんな感じなのかなぁ」と理解が深まっていく部分も含めて興味深い。
母世代を知る3部作『子育てはもう卒業します』『老後の資金がありません』『ニュータウンは黄昏て』も一気に読んでしまいました。
専業主婦になるのが当たり前だった時代に生きてきた女性たち。
今私が生きる時代とはやっぱりどうも様相が違ったようなのだけど、その違いも含めて改めて、考えさせられる部分が多いのです。
そして、どのストーリーにしてもぐいぐい引き込まれていくんだけど、
垣谷さんが描く世界はいつも根底に、「自立する喜び」や「自己を解放すること」がテーマとしてあるような気がします。
知らない間に自分を抑圧していた女性が、生き生きと自分を取り戻していく話が多いので、
読後感が爽快で勇気がもらえる。どれもおすすめです。
さて、『あなたのゼイ肉、落とします』に話を戻しますが、
もちろんこれは有能な「ダイエット本」ではないのです。
ただ、体の贅肉を落とすために、「心のゼイ肉」も落とさないといけないことに気付かされます。
健康と美容は両者一体。コインの裏表のような関係だとすると、そのどちらにも大きく関与するのが「メンタルヘルス」つまり精神の部分。
健康と美容とメンタルは綺麗なトライアングルを描いていて、そのバランスがとても大事だということは私もつくづく感じています。
この本は4つのエピソードから構成されているんですが、
四人の「贅肉を落としたい」登場人物が、どのように余分な贅肉を落として自分らしさを取り戻していくのか、というのが見所です。
心のゼイ肉って、例えば「自分の思い込み」とか「100%は賛同できない他人の価値観」や「親の価値観によるとらわれ」、「人に頼ることへの壁」・・・
食欲をコントロールできない「その理由」を丁寧に紐解いて気づかせてくれるのです。
痩せるのって実は簡単で、消費カロリーが摂取カロリーを上回ればいいだけなのです。
それが難しいのはどうして?
表面上だけ取り繕っても全然だめ。
その根底にある部分にアプローチしていかないと意味がない。
心の本音に従わない、他人の価値観で生きていくと、心の贅肉は取れないままです。
心の本音に素直に生きること、自分らしさを取り戻して
本来の自分を生きていくこと。
この本に書かれているダイエットの処方箋はこういうことなのかな、と思います。
自分では気づいていない心の贅肉に、ズバッと切り込んでくれる気持ちのいい、それでいて暖かい本です。
『あなたのゼイ肉、落とします』の姉妹本(?)に『あなたの人生、片付けます』もあって、こちらも面白かった!
好きな作家さんがいると、読書が本当に楽しいですね。
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